SYNCRO
March 12, 2015
Abu ambassadeur XLT1 SYNCRO LH
XLTの造形美を極めた最高峰1988年デビュー. かつての ABU505 と基本原理は同じ 「シンクロドラグ」 を装備した一台.
シンクロという言葉の由来は ハンドルの回転にドラグのテンションが同調するメカニズム.
ハンドルを所定のストロークで反転させると 連動してドラグホイールが緩む方向に回転します.
現物を見たことがある人は 「なんだこりゃ？」 ゴテゴテしたハンドル周辺部. 独特で異様な雰囲気.
右ハンドル専用機 2speed シリーズとともに XLTのデザインを極めた形だと思います. かなり好き.
ボディがグラマラスだから ハンドル周辺もボリュームがあった方が視覚的にバランスが整ってる.
知らない人は とにかく現物を一度見て欲しいんですよね. いかにも外国製って感じの雰囲気に魅了されます.
シンクロという名前が冠された一方で 521 という数字が消えました. 521 ＝ シンクロじゃない版
また 1988年っていうのは樹脂製リールのおかげで 左ハンドルのバリエーションも増える兆しが見え始める.
リールの種類が増えると 「3・5・8・10」 といったこれまでの単純な数列での名前には限界があるんでしょおね.
なので わけのわからない数字の名前から固有名詞的なモデル名に回帰. XLTという名前の完全復活です.
リールサイズを表す数字は 「Ⅰ」 じゃなくって 「1」 なんですね. これを書くまでかん違いしてました.
左ハンドルは ワイドスプールの 「XLT 2」 まであります. 3は無いと思うんですが･･･
あれば便利なシンクロドラグ「なくてもなんとかなる」 そんな機能ですけどね. 予期せぬ大物が掛かったときの心強い味方.
ドラグを多用するスタイルの人にとっては この上なく便利です. ハンドルをススッと反転させるだけで ラインが出る.
この快適さもね 一度大物を掛けてもらわないと伝わらないかも･･･ 雑魚っちには いらない機能.
大阪港でのシーバスフィッシングには欠かせない一台です. 訪れたワンチャンスを確実に獲るために.
70cmオーバーにもなると なかなか水面に浮いてこないんですょ. 巻き上げるたびに ひきづり込まれる.
延々と続くファイト･･･ でも シンクロドラグはラインにかかるストレスも アングラーの疲労も軽減してくれます.
実は不人気なXLTシンクロシンクロシステムの見た目に恐怖を感じる人も多いかも. 「俺にもメンテナンスできんのか？」 不安で敬遠.
根性でバラしてみたら きちんと組めなくて調子が悪くなっちゃって 知らん顔をしてベリーさんに売却とか.
だから なんとなく不調の個体も多くって おかげで中古のお値段も控えめなんですょ. 使い方を知らない人も多い.
このシンクロシステムは たしかに繊細っていうか. 分解図を見れば誰でも組める訳じゃなくって.
ドラグホイールの回転にひっかかる感じが出たりとか. ストロークがおかしくなったり. わたしも最初に経験しました.
仕組みさえきちんと理解できれば やがてオーバーホールも簡単に思えるようになりますが 乗り越えられるかどーか.
前のオーナーさんがきちんと組めずに シンクロ部のパーツが欠損したまま中古市場に出てくることもあります.
なので 購入の際にはそれなりに気を遣います. 詳しい店員さんがいるお店なら 一緒に動作確認をするとか.
･･･そんな事情で 右ハンドル派の人はシンクロを敬遠しがち. 一方 レフト愛好家にとっては数少ない左ハンドル.
「XLTシンクロを持っていればOLDレフト偏愛主義者」 過言ではないかも知れませんね.
でも あまりにも個性的なルックスなので 好みが分かれます. 丸いアブしか興味が持てない人もいる.
喰わず嫌いしないで一度経験すると ambassadeur の新たな魅力が発見できるかも知れませんょ.
バージョンは2種類. 「88-0」 と 「88-2」 不思議なことに 「88-1」 という存在を確認できません.
もしかしたら Abuがミスをして飛び越したのかも. 右ハンドルも含めると XLTっていうのは雑多な種族なので.
日本国内での発売は たぶんデビュー翌年の89年. 代理店がオリムピックに変わり 「OAシール」 貼られています.
Abu ambassadeur XLT 1 SYNCRO 88-0 88-89XLT（521）に搭載されていたフローティングタイプのレベルワインダーは シンクロになってから廃止.
動きの悪さをごまかすために センタリングというスタイルに変わりました. 飛距離に差が出るのかわかんなぃ.
デザインや配色面で完成されていて ドレスアップが難しいんですよね. ハンドルも他のアンバサダーと互換性がなく.
悪あがきをしてメカニカルブレーキのキャップだけ金色のものに交換しましたが あまり印象は変わらず.
ラバー製のハンドルノブは 強引に引っこ抜けば 丸いタイプと交換できそうですが･･･ 平たいノブもシンクロらしさ.
「完成された美しさ」 ありのままを楽しむ一台なんだと思います. 全身ピンク色に塗ってみたいんですけどね.
Abu ambassadeur XLT 1 SYNCRO 88-0 88-89「同じのを二台持っててどーすんだ？」 まぁ予備機ってことで. 中古やさんに二台出ていたのを買い占めました.
コンディションの優劣が微妙な差で どちらを買おーか迷ったあげく 「両方とも買っちゃえ」 みたいな.
お値段は各々4,500円. 1万円以下で二台買えたら安いでしょ？ 不人気ゆえにこの価格.
「レベルワインダーのセンタリングって何？」 スプールをフリーにすると ワインダーがまん中に寄るタイプ.
キャリッジの横から突き出た左右のバネ棒の力によって移動します. セミフローティング？ みたいな.
バヨネットスタイルのサイドプレートは 「カムロック」 っていう呼び名になるんですね. 今さら気付きました･･･.
Abu ambassadeur XLT 1 SYNCRO 88-2 90-91レベルワインダーのセンタリング機能が省略されちゃった最終型. キャリッジから突き出る横棒がありません.
悪く言えばXLTのシンボル的な要素が消えたモデル. シンプルになって実用面では気安くなったかも.
余談ですが 「88-1」 がもし存在するとしたら 後の刻印は 「89-90」 あたりでしょおか. お持ちの方はご一報を.
「オートマグ」 実は初発のブレーキ力を調整する機能が不充分.
先にも書きましたが バヨネット内部のブレーキユニットを自分で調整しないといけないんですよね.
その作業性を向上させるために マグネットホルダーの位置決めを行う部分が 「はりがね式？」 に変更されました.
オリジナルの状態での磁石（フェライト？）は6個. ネオジム磁石に交換した写真は またの機会に.
100円ショップで売っていたものが 同サイズでそのまま使えましたょ.
･･･三台も持っててどーすんの？ って感じですが 投げ釣りに使うなら予備のスプールも持参したいところ.
合計三個のスプールで バックラッシュを恐れずにぶん投げられる. 機会があれば挑戦したいです.
「さぁびす写真が出てこない」 忘れてました･･･ XLTシンクロの美しさをぉ伝えしたくて やっきになっちゃって.
ついでにでっかぃスズキの自慢も兼ねて. わたしは上手なんですょ. 自分で言うな？
大物をバラした経験がある人は この際シンクロのご購入を検討されたらいかがでしょお.
「必ず獲れる」 そんな一台. 使い方のコツとか また思いついたら Q &A のページに追記しておきますね.
kyasaren_abu at 23:00｜Permalink
